生命の断片
己ヶ暮
ぼくが死ななかったのは
ぼくが死ねなかったのは
明日の朝ごはんが好物だったから
それまで食べたら逝こうと思って
そしたら友達からLINEが来て
部屋を片付けなくちゃいけなくなって
いつの間にかまた次の日を迎えてる
ぼくが死ねなかったのは
悲しむ人の顔を思い浮かべたから
これまで愛された記憶が
確かに心に息づいていると思って
いつの間にか泣きながらベットにいた
逃げてしまいたかった
おしまいにしたかった
それさえ許されないのなら
これは罰かと苦しかった
何者にもなれないことがいつの間にか呪いになった
自分に出来ないことばかりを数えた
毎晩反省会をして
これじゃダメだと憤って
誰かに認められたかった
愛されたかった
ただ、赦されたかった
ぼくを認めなかったのは
愛さなかったのは
赦さなかったのは誰でもない、ぼくだった
ぼくが死ななかったのは
誰よりもぼく自身がぼくの頑張りを分かっていたから
何もできなくても
歯を食いしばって生きてさえいれば
きっとぼくはぼくを褒めてくれると思うから
ぼくが生きていこうと思うのは
妥協しない自分を誇らしく思うから
疲れた時に羽を休める術を知ったから
ぼくが生きていこうと思うのは
いずれ出会えるあなたに、自分を愛する術を教えてあげたいと思うから
生命の断片 己ヶ暮 @0noga
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