行くぜ、ハコスカGTR! 唸れ、直6DОHC!

 うむ、これはよいです。夏目漱一郎さんの贈る、旧車好きのための、男の物語。
 何しろ、女性が一切出てきません。車を偏愛する男と、フィギュアを偏愛する男だけです。が、これが心地よい。己の趣味に注ぎ込む情熱が「何もそこまで……」と思いつつも清々しいです。

 もちろん一番の見せ場は、カーチェイス。大事なフィギュアを盗まれた友人のために、逃走するアルファイア(現代の最新式)を追跡する70年型ハコスカGTR! (これ都会の話じゃないのか?)と疑問を感じつつ登場する峠道! 池〇さとしかよ!

 最後は善行が奏功して、主人公の人生の危機も救われ、みんな幸せ大団円。

 割合ニッチな分野の小説で、読み手を選ぶとは思いますが、旧車好きにはクリティカルヒットする、男の子の小説です。

 わたくしはお勧めしますよ!

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