異世界言語で書いた小説【ディモワでポックして無双】

すくらった

ポスポコンディモワの成り上がり無双 〜名家の次男、【スレッモ】で生きていく

異世界カークヨーム。


ここでは年齢がディアスエルムになるとディから【ディモワ】を与えられる。


俺はフィリー。フィリー・リザベール。俺たちリザベール家の人間は、代々【ザスト・シュバベレ】か【グラル・ティスモベーレ】のディモワをディから授けられることで名声を保ってきた。


そして俺は今日、ディアスエルムになる。同い年の少年少女たちは、朝からディのプローフェスに集められ、ディモワを授かることになっている。


兄のエステルが朝から嫌味な顔で俺に突っかかってくる。

「フィリー、お前に、【ダー】ランクのザスト・シュバベレは荷が重すぎる。【ポニ】のシュバベレがお似合いだぜ」


俺は兄の言うことを無視して、父親の元に向かう。

「お父様、ギズモ・クレーレ」

「おお、クレーレ」父は腕をクロスさせる。


「今日はお前がディモワを授かる日か。お前ならきっと、我が家系代々の【ザスト・シュバベレ】か【グラル・ティスモベーレ】のディモワを得て、帰って来るであろう。楽しみにしておるぞ」


俺は自分の未来の姿を思い浮かべた。【ザスト・シュバベレ】は前に出て、ヴォルフを振り回してギースニーカーどもをなぎ倒すディモワ。これは父のディモワでもある。【グラル・ティスモベーレ】は後方から強力なグリフマーを放ち、ギースニーカーどもを一網打尽にするディモワ。こちらは母親が持っている【ダー】ランクのディモワだ。どちらにしろ俺は、ソルシードになってドルムギモーに潜り、デナーやデポルを得るのだ。俺は拳を握った。



そしていよいよプローフェスに到着。自分の番を待つ。


そしてついに、【ディの代行者】が自分の名前を呼んだ。


「フィリー・リザベール。君のディモワは……」


ドキドキ。


「【スレッモ】!」


一瞬、俺の中のフィエルモがナックする。


は?この俺のディモワが、

スレッモ?よく街の浮浪者が所持してるくらい低位の、【スレッモ】?


スレッモとは、相手からデナーをポックできる、いわば底辺職のディモワである。


恐る恐る後ろを振り返る。


父親が顔を真っ赤にしていた。


「フィリー!この、家のボスポコンめ!お前は今日限り、リザベール家からキャモレーだ!」


こうして俺は家からキャモレーされ、あてどもなくさまようことになったのだった。

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