概要
「だから、俺は千尋(ちひろ)を斬った。」
隻眼の男・錬十郎は真夏の渓谷で、刀を盗もうとした滝三を捕らえる。折れた刀を持つ男を探している滝三だが、「その男が自分を殺した。折れた刀の切っ先は自分が持っている。刀が元の姿に戻り、力を取り戻せば、あんたをもっと強くするだろう」と、共に刀と男を探すよう錬十郎に持ちかける。滝三を連れた錬十郎は山中で幼い僧・浄心と再会する。浄心の持つ『雑念』の力で呼び起こされる、滝三の死と生の記憶とは。同じく刀の持ち主を追う「最強の男」と錬十郎の対決、さらにその先に待ち受ける、折れた刀の男の真実とは。
「剣奇小説とは、剣/刀の宿す奇なる“もの“と、それに抗(あらが)う人の奇縁とを相応の文体で語る奇譚であるーー」
剣奇小説シリーズ『流刃秘抄 連載版』の続編。
「剣奇小説とは、剣/刀の宿す奇なる“もの“と、それに抗(あらが)う人の奇縁とを相応の文体で語る奇譚であるーー」
剣奇小説シリーズ『流刃秘抄 連載版』の続編。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!斬られ、刃を身に受ける――刹那にある濃艶を文章にあらわした才宴!
剣の魔性に取り憑かれ、また翻弄される者たち、本格時代群像劇です。
前作から追ってますので、主人公隻眼の錬十郎、物の雑念から因縁を探偵する若き僧・浄心はお馴染みの登場人物。
ここに鮮烈にわって入った滝三が良い。切れ味良すぎるくせ者です。
ここではあえてネタばれしません。
かつて錬十郎に愛する女を追って追い詰めさせた執念に勝るとも劣らぬ色気を感じさせた、とだけ。
新たに絡められる蜘蛛の糸のごとき物語の因縁、そこには書き手の情念も上乗せされ濃い! 奇しくも「恋」と同じ響きだ、気づいてしまう……。
剣に憑かれる者たち、それは登場人物であり同時に物語ることにとり憑かれた書き手でもある。同じ混沌で…続きを読む