不気味な話。そう伝えるしかないような、ジトっとした強い余韻を残す物語
- ★★★ Excellent!!!
本作を読んですぐに、小泉八雲の「茶碗の中」という短編作品のことを思い出しました。
「追い詰められた崖の上にでもいる気分になる」とされる話がある。
そんな出だしで始まる物語で、ある男が「茶碗の中」を覗き込むと、その水面に一人の人物の顔が映りこんでいる。
それを飲み干した後、茶碗に映っていたのと同じ顔の男から「自分に対して酷いことをした」と詰め寄られるというもの。
果たして、茶碗に映った顔はなんだったのか。その後に男から問い詰められたこととは何か関係があったのか。
そんな、不思議な余韻を残す物語でした。
本作も、「マグカップの中のコーヒー」に、不気味な顔が映りこむところからストーリーが始まります。
今回は飲み干す前に、「数日後に起こること」が「予言」のような形で伝えられる。
しかし、的中はしない。「顔」が語ってくる予言はなぜか百パーセント外れるという。
これだけでも不思議な話ですが、その後の展開がまたゾワッと来る感じになっていくのが強烈でした。
「予言をしていた存在は何者だったのか」、「予言の言葉は何を意味していたのか」と、どうしようもない不気味な何かが迫ってくるような、強い余韻を読者に与えてくれます。