予言は外れるが、その言葉だけは外れない。

告げられる予言がすべて外れる――なのに、妙に胸に引っかかる。

日常の隙間にふっと紛れ込む薄気味悪さが、物語を離れたあとにも、じりじりと広がっていく、悪夢めいた存在感。
予言が外れる構造を「安心材料」と見せかけておきながら、最後に一気に反転させてきます。
読み終える頃には、どの反射面にも自分の背後が映るのがたまらなく怖くなる。
この作品は、声を荒げずに心臓を掴んでくるような、極めて質の高い日常侵食型の恐怖を持っていました。おすすめです。

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