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「お兄ちゃんたちー!お仕事頑張ってね!」

「おう、任せとけ」

「じゃあいってくる」

お兄ちゃんたちは普段家にいるが、仕事が入るとだいたいその翌日くらいに帰ってくる。お兄ちゃんたちは、仕事量は少ないがその分給料は高くていいらしい。私は仕事内容を知らない。知りたいなって思っても教えてくれないし、現場にも連れていってもらえない。こっそり見に行こうかなって思って、後をついていこうとしたらお兄ちゃんたちが心配して、必ず家にいてね。と言う。私は普段からほとんど家にいる。家は正直いうと暮らしには困らないほど家具などが充実している。欲しいものがあれば、くれるし、いらないものがあれば、捨ててくれる。

「かぐやー、おやつよー!」

「はーい!」

お母さんが私を呼び、一緒におやつを食べる。

今日はクッキーとベリーの紅茶だ。お母さんは毎回お腹いっぱいになるまで食べていいよというので、遠慮なく食べさせてもらっている。だけど私は、体型を最近気にしている。だけどそのことをお母さんに相談すると

「そうなのね。じゃあヘルシーなご飯にするわね。でも変わらずおなかいっぱい食べなさい。成長ざかりなんだから。」と言われた。いつも食べて、寝て、遊んでの繰り返し。だからか体型も変わらないし、お兄ちゃんたちにちやほやされる。

「かぐやー、そこのお道具箱セットとってー!

「はーい!」

お父さんは、お兄ちゃんたちと時々一緒に仕事をしているが、普段はなんでも屋として働いている。だから物を修理したりしていて、お道具箱セットが欠かせない。でも時々忘れることが、あるので、そのときは私が届けに行っている。

「ただいまー」

とそのとき兄たちの声がした。珍しく夕方に仕事が終わり、私が好きなアイスまで買ってきてくれて私は幸せだ。

「ほらー、かぐやあーん」

「かぐやー?あれ、うとうとしてる」

「かぐやお昼寝しようねー」

「ほんとうに可愛い」

「ここにきてくれてありがとう」

私は夢の中に入っていった。

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狂竹 明智 依毬 @moonlight52

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