忘れられた勇者が見つけた、小さな希望の物語

1章まで読了――

かつて世界を救った勇者。
しかし、帰還した彼を待っていたのは、喝采でも名誉でもなく、ただの“忘却”でした。

本作は、孤独の中でひっそりと暮らす元勇者が、
ひとつの「虹の種」と出会うことからゆっくりと始まる物語です。

静かな山での生活、手探りで家を作る日々、
誰にも気づかれなかったはずの彼に、少しずつ差し込む“誰かとの出会い”。

戦いも派手な魔法もない。
けれど、胸にじんわり染みる感情の連続が、この物語の魅力です。

孤独の痛み、その中に芽生える小さな希望——
読み進めるほどに、彼が抱えてきた「空白」に触れ、温かく寄り添いたくなる。

繊細で丁寧、そして確かに心が動く。
“スローライフ”という言葉を静かに塗り替えてくれる作品です。

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