カクコン11短編『carnivorous』

美味しそうなお料理のその向こうに、シンジくんとリョウさんの関係が見える――そんなほっこりするお話でした。

ふたりのちょっとした会話の端々に、ずっと一緒にいる人だけが持つ空気感を感じます。

そしてなにより──
肉料理があまりにも美味しそう！！
これ読んだらレバー苦手な人でも、一回くらい挑戦してみたくなるかもしれない♪

そんな肉料理が単なる“飯テロ”で終わらず、ちゃんとふたりの生活や気持ちとつながっているのがすごく良いんです。

あぁ、続きください……もっと読みたい……！！

主人公は専業主夫。パートナーのリョウサンとは、職場でまだ彼を「山口部長」と呼んでいた時に親しくなった。

まあ言って仕舞えば、
主人公と、母親よりも年上のリョウサンが同じ屋根のしたで肉じゃがを食べてワインをいただく。
それだけの話だ。

それだけの話なのが逆にこの物語を粋に感じさせる。



この二人がどんな仲で、どのくらいお互いを愛しているのかなどは読者が想像すればいい範疇のことなのだ。

ただ、彼と一緒に食べる肉じゃがが本当に美味しい。

これ以上何を望むだろうか？




宮本先生の文学はいつも、過不足がないように感じる。
ここまでシンプルな言葉で、スマートな文章が書ける由来なのだろう…続きを読む

近況ノートで告知があったときから楽しみでしょうがなかった、宮本さんの書くBL。
期待どおり、いえいえ、期待以上のストーリーです。

スティーブ・ジョブズに似ているリョウさんと、お料理上手な専業主夫のシンジ。
二人は互いのレバー、あ、ちがう、ラバー（lover）です。
穏やかな食事のシーン、その前のクッキングの描写もしあわせ色。
シンジの台詞に泣かされちゃったりもするんですよね、こっちは。

タイトルにこめられた意味は、本文の中で明かされます。

ハツフル――あ、ちがう、
ハートフルな宮本BLをぜひ、おいしく味わってみてください。

飯テロです。そしてBLです。
主人公のパートナー「リョウさん」という男性が登場します。
普通のBLなら「リョウさん」は左にくるのではないかと思います。
しかし…
タイトルと「彼は肉を食べる」
この一文に注目したい、とても深いBLだな、と思いました。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（372文字）