エッッッッッグい。心して読まれよ。

 「『お疲れ様刑事』を題材に執筆しよう」という自主企画に向けて執筆されたという本作。お題に寄せて即席で書かれたとは思えない凄まじいクオリティーでした。

 刑事がAIロボット犬「K9-Assist」と行動を共にすることが当たり前となった世界。主人公の若槻慶次もロボット犬に「わん公」と名付け、可愛がっていました。

 わん公は若槻に向かって頻繁に「お疲れ様、慶次」と呼び掛けます。何度も「慶次じゃなくて若槻と呼べ」と命じているにも関わらず、言うことを聞かないわん公。

 若槻は修理に出すも、どこも壊れていないという。そんなこんななので若槻はいつの間にか「お疲れ様刑事」とあだ名されるようになってしまった――。

 冒頭から続く若槻とわん公のほのぼの展開。どこがホラーなんだ、という感じで物語は着々と進行します。

 そして迎える最終段。物語の全貌が姿を現します。普段はミステリばかりしか読まないのでホラーには詳しくないのですが、そんな僕でも本作がエグすぎることぐらいは分かります。

 ストーリー展開の高低差に酔いしれたい方は是非お読みください。ただし心して掛かること!

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