海のおうち
むかし、住んでた家が海のそばだった。
親が釣ってきた魚を捌いて食べたり、一緒に釣りしたり、良い思い出しかない家だ。
たまに、その家が夢に出る。
家から出て、親と釣りに行く。休日のいつものパターンだ。
そこからが違うのだ。
行ったこともない近くの橋の上で、釣りしている人を眺めている視点になる。
その人がこっちに気付き、近付いてくる。
私は動けない。
だんだんと、ゆっくりと歩いてくる。
怖くて俯いて目を瞑る。ぎゅっっっっと。何も見えないように。
その人が私の頭を撫でたのは予想外だった。
私は顔をあげてその人を見てしまった。
その人は、明らかに生きている人ではなかった。首があらぬ方向に曲がっていた。笑顔だった。
その人はこう言った。「たのしいよー!親御さんはおらんの?」と。
私はお父さんとやる!とかなんとか言い、その場から走って逃げた。
着いてきていたが、親と合流した時にはいなかった。
もしかしたら自分がそうなっていたことに気付いていなかったかもしれない。
こわかったゆめのはなし 睡眠厨 @Sumintyu
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