『ある日、世界から「言葉」が消えた。恩師の失踪を追う私は、自分が半世紀前の「被験体」だったと知る』

世界から「言葉」が失われていく奇病――「ラピュータ」。

言語学者である私（アキ）は、その治療法を研究していた。だが、恩師ミナミ教授は「これは病気ではない」という言葉を残し、全ての研究データと共に失踪する。

「教授は機密データを盗んだ」――そう告げ、私に迫る政府機関「調律局」の冷徹な男、カイト。 「教授から君を守るよう託された」――私を窮地から救い出す、謎の青年、ハル。

誰を信じ、誰を疑うべきか。

失踪の裏には、半世紀前に封印された禁断の実験「バベル・プロジェクト」と、人類の思考そのものを支配する「沈黙のコード」の存在があった。

そして私は知ってしまう。

私自身が、その狂った実験で唯一生き残った「被験体」であり、世界を救うか滅ぼすか、その全ての「鍵（カウンターコード）」を握る存在だったという真実を――。