散文詩「ジャズオケの輝き」

松下友香 

確かにそこにあったもの

一年前の今日

偶然、通りがかった友人が

路上演奏に出る人混みの中に

学生時代のジャズオケのメンバーを見付け

まだジャズを続けていると知った



来年は見に行こうと

友人と約束した



そして今日

学生時代の同級生と一緒に

演奏会場へ



やってきた懐かしい顔ぶれは

昔の面影を残して

少しずつ年齢を重ねていた




演奏が始まると

年に数回集まって演奏しているレベルではなく

うまかった



年齢を重ねただけ

音に艶とスイングが込められていて

かっこよい音だった




久しぶりのジャズのリズムが

鼓動を波打った




そこには

私が忘れてきた

青春の輝きのようなものが

見えた





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散文詩「ジャズオケの輝き」 松下友香  @mokasanhamamatsu

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