猫は図々しくないよ!

いのそらん

第1話 猫は図々しくないよ!

うちには猫がいる。

4匹の猫がいる。


猫を飼ったことがある人は、きっとたくさんいるだろう。

ネットで調べてみると、日本では2025年現在、約915万頭の猫が飼育されていて、犬の約679万頭を大きく上回っているそうである。


日本の人口が、現在1.2億人とのこと。で、国が出している世帯数は約5700世帯あるという。と、いうことはだ。世帯数の5700万を915万で割れば、約6世帯に1匹の猫が飼われているということになるのだ。


ぶっちゃけ、かなりの比率だ。


だって、想像してみて欲しい。学校の1クラスが30人とすると、5人に一人は猫を飼っているということだからね。こんなクラスがあったら、すべての休み時間は、愛猫の写真や動画を、お互いに自慢して時間は終わることだろう。やはり猫の魅力は素晴らしい。


ただ、実際にはそんなことは起きていない。

いくらなんでも、6世帯のうち1世帯が猫を飼っていれば、もっと猫ブームも強力なものになっているだろうからだ。


実際には、私のように1世帯で、複数の猫を飼っている『多頭飼い』が、その数を増やしているのだろう。それ以外にも、日本でもたくさんの団体が保護猫活動をしてくれていて、そのシェルターで新しい飼い主を待っている保護猫達の数も、先程の915万頭のなかに入っていると予想される。


それでも、915万頭である。半端な数ではない。

つまり、猫を飼ったことがある人は、きっとたくさんいるに違いない。


さて、では先程の『多頭飼い』にも関係してくるのだが、家庭で2匹以上の猫を飼っている人はどのぐらいいるのだろうか。SNSなどの投稿を見ていると、私見だが、かなりいるんじゃないかと思う。

もちろんそれ以上の数の猫と暮らしを共にしている愛猫家もたくさんいるだろう。

動画投稿などを見ていると、10匹以上なんて人も結構いるのだ。

夢の生活だ。


もちろん、それだけ猫がいれば、餌代などかなりの費用が掛かるだろうが、きっとその分、癒され、そして振り回されているのだろう。だからこそ『猫様』などという尊い言葉が囁かれるのだ。

間違いないで欲しい。飼っている猫の数が多ければ、幸せが多いという話ではない。

それだけ、猫が一緒に生活するパートナーとして魅力ある存在だと言いたいだけだ。


猫を愛し、猫と共に生活し、猫に癒され、そして振り回され、猫と闘う。


これが、猫好きの神髄なのだ。

猫好きの毎日は、猫の雑誌、ネットの記事、動画やコメントの投稿や閲覧、そして愛猫家たちとの楽しい会話。終わることのない猫ファーストのサイクルを過ごしながら、帰宅した時、気が向くとお出迎えをしてくれる愛猫に癒されるのである。


しかしながら、私は愛猫自慢をしているときの周囲の反応に、ちょっとした不満もある。それは、


『本当に世の中で猫が正しく理解されているのだろうか?』


と、いうものである。

学術的にどうだとか。以前の常識が研究によって変わっただとか、そういう話ではない。あくまでも『1匹飼い』、『多頭飼い』に関わらず、猫に関わっている主さんなら、誰でも感じていることを、世の中はちゃんと知っているのだろうか、というものに過ぎない。


私が感じる、正しく理解されてないものの1つが、


『猫はわがまま(自己中心的)である』


というものだ。

まず、全国の猫好きの皆さんに問いたい!


『猫ってわがままですか?』


私なら答えは、即答で、


『否!』


だ。だって、猫、素直ですよ。特に自己中心的でもない。

ちょっと考えてほしい。


私たちは、猫の都合などまったくを考えずに、とにかく『構う』を繰り返してしまう。猫を飼ったことがない人だって、猫カフェに行って、猫をモフるよね。

もちろん、猫だって生き物だ。機嫌が悪かったり、しつこければ、猫パンチをしてくるし、逃げたりもする。それを見て、自己中心だって言っているのかな。でも、


『そりゃ誰だって同じでしょ?』


私だって、寝ているところを急に誰かにモフられたりしたら、いい顔はしないだろう。しかも、私たちは、その機嫌の悪い様子をみて、更にデレたりし、最終的には猫吸いするのだ。猫にとっては、まさにストーカーだろう。

こうやって言葉にして想像してみると、急に誰かに鼻を押し付けられて匂いを嗅がれる行為って、逆に、猫達良く受け入れてるよね(苦笑)


こんな話をすると、反論する人たちがいる。


『だって、餌だってすぐ飽きるし』

『都合のいい時ばかり、擦り寄ってくるでしょ』

『猫なで声って言うじゃん』

『呼んでもすぐに来ない時が多しなー』

『瞳がころころ変わる』


なんて、ものだ。

飼ってみはみたものの、猫との生活に慣れることができず猫を批判する人たちや、猫のズル賢さなどを主張する人はこんなことを良く言うのだ。


『いや、人間だって、毎日同じもの食べたら飽きるでしょ?』

『あなたは、自分の都合で誰かにおべっか使いませんか?胸に手を当てみて』

『いやいや、知らない人の前だと、あなた声変わっているよ(笑)』

『奴隷じゃないよね。対等な関係だから』

『そもそもそれ、生物学的な仕組みだし』


とまあ、ちょっと考えてみれば、わざわざ反論する必要もないくらいの当たり前の事ばかり。ぶっちゃけ、


『腹の探り合いをする必要がない、素直な存在』


だからこそ、私たちは癒されているのだから!

ふぅ。ちょっと熱くなってしまった。

とにかく、猫好きならきっと理解してくれる筈。猫は、自己中でもわがままでもないのだ。

他にも、よく聞く話に、こんなものがある。


『猫は孤独を愛する』


いや、愛してないよね?

皆さんの家の猫は、孤独を愛しているように感るだろうか?


『否』


だよね。

確かに猫は、1日24時間のうち、うちの猫達でいえば、平均で10時間~12時間ぐらいは寝ている。寝ているときは誰にも邪魔されたくないから、独りでゆっくり横になれる場所を探して、そこで寝ていることも多い。

特に『多頭飼い』をしている場合は、自分の場所を探す範囲が広くなり、結果、かくれんぼになることもある。執拗なまでにどこにいるのかを探す主は、ここでもまたストーカーなのだが(苦笑)

でも、物音がすれば興味津々で顔を出すし、餌の時間は忘れない。


『ただ、それは人間も同じでは?』


確かに、恋人などに身体を預けて寝る心地よさという例外もあるだろう。

でも、原則、深く眠りたいときは、きっと一人でゆっくりと寝れる姿勢を好むはずである。

寝るときに限らず、お気に入りの場所が、自分の書斎であれば、そこに何時間も一人でこもることはないだろうか?趣味でシアタールーム作った人なら、きっと休みの日は、何時間もそこで過ごすこともあるだろう。


『同じですよ』


まだまだ、たくさん世の中の猫の常識を、猫好きの視点から真実へと昇華させたいのだが、キリがないので、最後にもう1つだけ。


『猫は図々しい』


うーん。まず、『図々しい』ってなんだろう。

調べてみると、


『恥じらいや遠慮がなく、他人の迷惑を顧みずに行動するさま』


だそうだ。

ちなみに、『図々しい』をネットの検索エンジンで調べたときに、


検索:図々しい 猫

   図々しい 猫 嫌い


などが、オートコレクト機能で一覧に表示されて、イラっとしたことを付け加えておく。


『他人の迷惑を顧みず行動するさま』


確かに、主が仕事に行こうと用意をしていると、転がってお腹を見せたり、可愛いポーズとって引き止めたりするが、それは迷惑なのだろうか?勝手な行動だろうか?


確かに仕事には行きたくなくなるが、もうご褒美といっても過言ではないだろう。

仕事にいく父親を見て、幼児がぐずるのと同じにしか思えない。


正確なことはわからないが、猫は人間でいうところの2歳~2歳半ぐらいの知能だと言われている。これも、本当に2歳半かよって言いたいような行動をとるの時もあるので、疑ってはいるのだが、まあ、今回は流そう。

2歳や2歳半の知能であれば、人間であっても恥じらいや遠慮なんかしない。

ただ自分の欲求に素直に行動するのではないだろうか?そして、それは普通のことだと思うのだ。


『猫に何を求めているのだろうか?』


まさか、成人した人間と同じ、良識や常識を当てはめて、『図々しい』と言っているのだろうか?

それは、”猫が最高に可愛い”とは言え、期待をし過ぎというものだ。

むしろ、知能レベルがあがることによって、打算的で、計算高い行動を取ってしまうことのある人間の方が、よっぽど『図々しい』こともあるのではないだろうか。


とにかく、今回は、3つの『猫に関する常識』を疑い、『猫好きだけが知っている真実』によって、塗り直してみた。

きっと、今後猫を飼っていると、私も皆さんも


『すべての猫がチュー〇を好きではない!』

『猫はねこまんまを、猫は食べない!』

『ちょびっとだけ餌を残す?いやそれ、猫の性格によってだから!』


など、もっと身近な『猫好きだけが知っている真実』を自慢し続けることになるだろうが、とにかく、今回はこの3つだ。

これからも、


『猫の常識は自分の愛猫を基準に!』

『自分の愛猫が一番可愛い!』


をモットーに、楽しい猫ライフを送っていこうではないか。

あ、もちろんうちの猫達は、『図々しく』ないよ!


※うちの猫達を画像でご紹介

https://kakuyomu.jp/users/inosoran/news/822139839286586870

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