メンヘラにさせないで
昼月キオリ
メンヘラにさせないで
<登場人物>
如月琉斗(きさらぎると)(24)
カフェの店員。
唯一の友人はロンドンにいる。
見た目は爽やかイケメン、見た目は。
水無月桜子(みなずきさくらこ)(31)
カフェの客。
マイペースでネジが二、三本飛んでる。
梨菜(りな)
桜子の友人。
物事をはっきり言うが友達を心配する優しい面も。
静華(しずか)
桜子の友人。
口数は少ないが意外とはっきり言うタイプ。
如月黎斗(きさらぎれいと)(26)
琉斗の兄。
とにかくチャラい!
海が見えるカフェにて。
桜子は2月14日のバレンタインに推しの店員である琉斗にチョコレートを渡した。
ずっと憧れていた人だ。緊張しながらもなんとか渡すことに成功した。
そして3月14日のホワイトデーに琉斗は桜子にお返しを渡した。
琉斗も桜子に好意があった為、二人は付き合うことになったのだが・・・。
飲み会で桜子にGPSを勝手に入れていたり、
実は付き合う前からこっそりストーカーをしていたことが判明した。
別のカフェにて。
梨菜「GPSって・・・桜子、この男ヤバいって・・・」
桜子「それって月々お金かかるの?」
琉斗「いえ、かかりません」
桜子「良かった〜」
梨菜「違うー!そういう問題じゃない!」
桜子「違う違う、そうじゃない〜」
静華「桜子って本当面白いね」
桜子「ありがと静華ちゃん」
梨菜「いや、誰も褒めとらんのよ」
桜子「ねぇ、琉斗君、私も琉斗君の携帯にGPS入れていい?」
琉斗「え、はい、というか俺を監視してくれるんですか?」(キラッキラ〜)
梨菜「は?」(キレ気味)
静華(如月君って変なコね)
桜子「んー?ずっと見れるわけじゃないけど・・・
よし、登録完了っと」
琉斗「ありがとうございます」
梨菜「何が?」(更にキレ気味)
静華「梨菜まぁまぁ」
桜子「これでお揃いだね!」
琉斗「は、はい・・・」(可愛い)
梨菜「はー、まぁ最終的には桜子がいいんならいいけどさ・・・でも如月君、今後もし事件になるようなら訴えるからね!」
梨菜がビシッと人差し指で琉斗を指す。
桜子「まぁまぁ」
琉斗「俺、桜子さんと別れるくらいなら死にます」(真顔)
梨菜「いや怖いわ!」
静華「如月君ってメンヘラなんだね」
琉斗「あの、事件って後付けるのはダメですか」
梨菜「ダメに決まってるでしょ!」
静華「それって今までしてたってこと?」
梨菜「え?」
琉斗「はい、付き合う前に何度か」
梨菜「しれっと言うな如月ぃ!桜子、こいつマジでヤバいって」
桜子「うん、如月君じゃなかったら訴えてた」
梨菜「違ーう!そういう問題じゃないでしょ!」
桜子「違う違う、そうじゃない〜」
梨菜「おバカ・・・あのね桜子、こいつ、いつか家に勝手に来るよ?」
静華「すでにストーカー済みだもんね」
桜子「んー、いる時ならいいんだけどいない時だと困るよね」
梨菜「何でやねん!!」(ビシッ)
静華「梨菜段々ツッコミ上手くなってるね」
梨菜「嬉しかないわよ!」
桜子「まぁまぁ、梨菜ちゃん、琉斗君、これからは後を付けるくらいなら最初から一緒に帰ろうよ」
琉斗「え、天使ですか?」
梨菜「やかましいわ如月」
静華「まぁ、桜子がいいならいいんじゃない?まだ警察沙汰にはなってないし」
梨菜「なってからじゃ遅いでしょうが!」
琉斗「大丈夫です、警察に追われる前に桜子さん連れて知り合いがいるロンドンに飛ぶ予定なので」
桜子「えー!如月君って海外にお友達がいるの?凄ーい!」
梨菜「いや、話はそこじゃないでしょ・・・」
桜子「ロンドン行きたーい!」
琉斗「じゃあ今度一緒に行きましょうね」
桜子「うん!」
梨菜「ダメだこりゃ」
静華(あ、梨菜が諦めた)
その時、黎斗が友人三人を連れて来た。
黎斗「ん?あれ琉斗じゃん」
「なになに、弟君ハーレム中?」
「にしちゃーちょっと歳上か?」
「いいじゃんお姉様たちって」
梨菜「誰よあんたたち」
失礼な男たちをキッと梨菜が睨む。
黎斗「あー、俺、琉斗の兄、黎斗です」
梨菜「え、あんたが?・・・」
(全然似てないんだけど)
黎斗「てゆーか俺お姉さんタイプかも、付き合ってくれない?」
梨菜「黙らないと口縫うわよ?」(ゴゴゴ)
黎斗「いやん、マジで好きになりそう」
梨菜「黙れっちゅーに」
梨菜が黎斗の両頬を引っ張る。
黎斗「いはいいは〜い!」
「ところで弟君、この中の誰かと付き合ってんの?」
琉斗「うん、桜子さんと」
桜子「よろしくね」
黎斗「そっかそっかー、ついに彼女できたかー」
黎斗は腫れた頬を両手で押さえながら質問をする。
梨菜「え、ついにって?」
黎斗「琉斗、初めての彼女なんだから暴走してフラれないようにな」
琉斗「うるさい・・・」
黎斗「じゃーな」
そう言って黎斗たちは別の離れた席に座った。
琉斗「はぁ・・・まさか兄さんが来るなんて」
桜子「派手な感じな方だね?」
梨菜「チャラ男よ、チャラ男」
琉斗「まぁ、俺とは正反対ですね」
梨菜「てか、初めてって・・・じゃあ今まで付き合ったことない子たちをストーカーしていたっていうの?」
琉斗「違いますよ、ストーカーしたのは桜子さんだけです」
桜子「そっかぁ、私だけなんだ」
梨菜「何でそんな嬉しそうなのよ・・・」
琉斗「とにかく、俺は桜子さん以外はストーカーしないですしGPSも付けてません」
桜子「うん、それならいいね」
静華(本当天然だなぁ)
琉斗「そうですか、ありがとうございます」
梨菜「もう、好きにして」
二人と解散後。
街を歩きながら二人について語る梨菜と静華。
梨菜「はー、なんかどっと疲れたわ」
静華「でも、如月君、桜子と一緒にいたらなんだかんだメンヘラ治りそう」
梨菜「・・・そうねぇ、あんなの、桜子が放って置かないでしょ、メンヘラになんてさせないわよあの子ならきっと」
静華「ふふ、メンヘラにさせないって」
梨菜「でも、そうじゃない?」
静華「うん、そうかも」
それから半年。
如月の暴走は桜子によってちょっぴり収まったそうな。
メンヘラにさせないで 昼月キオリ @bluepiece221b
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます