全体を通して、「秋」を主軸としながらも、様々な時間、場所、そして感情のレイヤーが織り込まれているのが特徴的です。これらの俳句からは、詠み手の観察眼の鋭さと、それを十七音の中に凝縮する確かな表現力が感じられます。特に、硬質なもの(鉄路道、高速道、年表)と、柔らかいもの(朝顔、真珠の粒、ぬくみ)、あるいは内面的な思索と具体的な情景を巧みに組み合わせることで、一句一句に深遠な余韻が生まれています。
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