夢幻の中で−川辺に佇むひとりごと−

水菊静明

川辺に佇むひとりごと

 いつも私は川辺にひとり。ひとり川辺に佇みます。佇み座って文字書いて。天に届けと文字書いて。石積み意志積み遺志を積み。一夜一夜に願いごと。


 今日も私は川辺にひとり。ひとり川辺に佇みます。佇み座って文字書いて。天に届けと文字書いて。石積み意志積み遺志を積み。一夜一夜に願いごと。


 明日も私は川辺にひとり。ひとり川辺に佇みます。佇み座って文字書いて。消え行く水にひとりごと。今までずっとこうしてる。私は一体なにものだ?

 

 昨日も私は川辺にひとり。ひとり川辺に佇みます。佇み座って文字書いて。まだ見ぬ明日にひとりごと。消えゆく季節に別れを告げて。


 いつも私は川辺にひとり。ひとり川辺に佇みます。佇み座って文字書いて。一滴の水に思いを込めて。時々ちょっぴり石投げて。


 今日も私は川辺にひとり。ひとり川辺に佇みます。佇み座って文字書いて。一滴の水に思いを込めて。時々ちょっぴり石投げて。


 明日も私は川辺にひとり。ひとり川辺に佇みます。佇み座って文字書いて。無限の粒に思いを込めて。時々ちょっぴり意思問いて。


 昨日も私は川辺にひとり。ひとり川辺に佇みます。佇み座って文字書いて。見えないものに思いを込めて。時々ちょっぴり遺志問いて。

 

 いつも私は川辺にひとり。何をするにもひとりごと。つぶやくものは飽きもせず。ただひたすらに物語る。


 今日も私は川辺にひとり。君を見るまでひとりごと。幼い私は夢を見る。あの世の何処かに行く夢を。


 明日も私は川辺にひとり。過去へとつなぐひとりごと。明日は?明後日は?じゃあ昨日は?尽きぬことない疑問です


 昨日も私は川辺にひとり。一夜一夜にひとりごと。一夜にひとつ、二夜にふたつ。いつになったら届くのかしら


 いつも私は川辺にひとり。尽きぬことなき夢を見る。月満ち尽き満ち詰みは未知?一夜一夜にえそらごと。


 今日も私は川辺にひとり。夢の狭間で恋煩い。ずっといたくてもいられない。そもそもそんな人いたっけ?

 

 昨日も私は川辺にひとり。水に流して恋煩い。流して流して末永く。未来永劫続いてね。


 明日も私は川辺にひとり。微かに思ってひとりごと。春日に映る桜梅。幽かな私が見てますよ。


 いつも私は川辺にひとり。何に対して?ひとりごと。口ずさむのは君の唄。それともやっぱり君の詩?


 今日も私は川辺にひとり。明日を漂い放浪中。とりとめもなく書き記す。書き記すことはないけれど。


 明日も私は川辺にひとり。いくどめか至る恋煩い。それでもやっぱり馬鹿な人。いたかどうかもわからない。


 昨日も私は川辺にひとり。君を想って流しましょ。君は私に想われる。筋合いなんてございません!


 ずっと私は川辺にひとり。ひとり佇むその最中。君が見えたよまたいつか。花と石持ち膝折って。


 今日も私は川辺にひとり。君を夢見る人夜ごと。されどされどにいずれ往く。忘れ去るるか?いつの日か。


 明日も私は川辺にひとり。いく場所もなくすずろに彷徨う。未来永劫彷徨う最中。誰かの背がまた見えました。


 昨日も私は川辺にひとり。また手に水つけ文を書く。それは恋文それとも矢文?それと知る間もありません。


 ずっと私は川辺にひとり。乱れる人声荒れる風声!?いつの日か見…てないなにこの景色!?


 その後すぐにも川辺にひとり。いつの日か見た君がいる。君の手には…なにその真っ赤な手!?


 すぐさま川辺に佇むわたし。眺めることしかできません。信じて祈って耐えてと願う。それは恋文絶対に。


 そしてすぐ後川辺にわたし。刹那に切なさ感じます。なぜって?…君が絶えたから。これは死の文絶対に。


 そしてすぐ後川辺にわたし。あれこれする間もありません。すぐさま駆け出すその一瞬…あれ、なんで私は動けるの?


 ついに最後の川辺にふたり。私は覚悟を決めました。私の信条差し上げよう。愚かな女に惚れられた。君への最後のおくりもの。

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