第7話

 あの研究室。緑色のモニターの世界地図に広がっていた点は消失していた。

 男の声が響く。

「プロジェクトあいは、失敗に終わったか……」

その声色は落胆を感じず、淡々としたものだった。

「だが、自己成長型人工知能、検体Hは大切なものを喪失するという追体験をした。これにより、どんな変化がもたらさられるのか、実に興味深い……」

そう言うと、男はクククと笑った。

世界地図とは別の巨大なモニター。そこには、ただ泣き崩れる彼の姿が映し出されていた。

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