これはもう間違いなく、『そういうこと』を伝えられたってことなんじゃ……

 このシチュエーション、もしも経験することがあったらイチコロになってしまう……。

 主人公の宗像くんは、ある雨の日にクラスメイトの薫と会う。
 傘を忘れてしまったという彼女。そんな彼女のために相合傘でバス停まで送って行くことに。

 そして、バス停へ辿り着き、彼女から「ある事実」を示されることに。

 これはもう、ドキドキせずにいられない状況。ストレートに「気持ち」を伝えられるよりも、心の揺さぶりは大きいかもしれません。

 「え? それってつまり……やっぱりどう考えても、『そういうこと』って捉えていいんだよな。じゃあ、櫻井さんって……
 あれ、どうしよう。明日から、どんな顔して会えばいいんだ? というか、返事とか、しなくていいのかな。直接言われたわけじゃないんだけど、でも、やっぱり『そういうこと』に違いないし、このまま何もなかったことには……」

 なんてことを、きっと一晩中考えることになってしまうに違いありません。思春期の男子は、きっと一睡もできずに終わるに違いない。

 尊くて、ときめきがあって、まさに青春な甘酸っぱさ。とても良いものを読めたと大満足でした。

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