大丈夫! 何度だって仲良くなるさ!

 志草ねなさんの最新作です。異世界ファンタジーですが、ファンタジー色は薄目、ついてにBL色も薄いです。が、これいい、評判になるのが分かります。

 よく異世界ファンタジーで、長命のエルフが若いままなのに、愛したヒューマンが齢を取って死んでいくという、悲恋の物語がありますよね。
 本作は、その逆、魔法使いのアリケは若々しいのに頭だけ老いていき、愛した人を忘れていくのが物悲しいです。
「迷惑なもんか! 切ないだけだよ」っていう、ケサカートの心の叫びが読者の胸を打ちます。
 
 でも、それは自然の摂理。忘れたっていいんです。アリケの最後のセリフ、「何度だって、また仲良しになるから!」に、ほんの少しですが救いがあってよかったです。

 これはよい。お勧めです。

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