波郷 紬 (なみさと つむぎ)

「これが唯一の、私の誕生日…。

 はい、おしまいね」


えー、やだぁ。なんで。ねぇ、なんで。


「おしまいです。

 もっと勉強ができるなら良いですよ。

 でも、できないでしょう?

 そして朝起きるのも遅い。そうでしょ?」


 うぅ…!紬さんのばか。紬さんきらーい。


「はいはい」



この子と住むようになって丁度1年が経つ。

末だに「お母さん」とは呼んでくれないが、

だいぶ懐いてくれている。「ホラおやすみ」あの時、この子…かやでは、

ご飯をまともに食べていなかった。

お腹が空いて泣いていたところを、

私が助けてあげたのだ。

当時私は十九歳だったから、

必死で子育てを勉強した。

ニュースでは

「雨宮サクラちゃん行方不明事件から十年」

の話題ばかりで、街は人でいっぱいだった。

ふと、ある看板を見つけた。


『猫を探しています』

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あの子のいる森 逢坂らと @anizyatosakko

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