『巣から落ちたツバメのせいちゃん』
矢田誠一
第1話
ツバメのせいちゃんは、三人兄弟のツバメ……。
なおちゃん、よしくんの間に生まれたツバメ……。
もう、一羽、生まれるはずだった子ツバメもいたが、生まれる前、卵の時に、ヘビに食べられてしまいました。
三匹の子ツバメは、巣で、まだ、少し、小さいので、空も飛べず暮らしておりました………。
親ツバメのはるちゃんととしくんは、毎日、子ツバメに、せっせとエサを、運んでおりました……。しかし、親ツバメのお母さんツバメのはるちゃんは、少し身体が、弱く、時おり、エサを取って来る事を休んでおりました……。
せいちゃんは、考えました………。『このまま、巣にいても、お母さんツバメのはるちゃんが、倒れてしまうなーー。どうしよう………。』残りの二羽の子ツバメのなおちゃんとよしくんは……のんきにエサをパクパク食べてます。
せいちゃんは、考えました。『まだ、自分は、飛ぶ事もできないけど、巣を出よう……。しかし、どうやって出よう………。』決意した事は、巣から、落ちて行く事でした……。
ある、少し暑めの6月……子ツバメのせいちゃんは、ピゅーと、巣から、落ちました……。自らの意思で……。
(ボキッ………。)子ツバメのせいちゃんは、左足を、落ちた勢いで、折ってしまいました。
森の地面には、ヘビやたぬきや、ライオンまで、います。
でも、せいちゃん………。その明るい性格て、ヘビやライオンとも、仲良くやって、なんとか治った、左足で、ちょこちょこ歩きながら、生きていました………。
ある日、子ツバメのせいちゃんは、大きなスズメバチとも、仲良くなりました………。
普通なら、ツバメのエサになってしまう、スズメバチと………。
なぜなら、そのスズメバチは、自分達のスズメバチの巣に、せいちゃんが、巣から落ちて、得意になった小さな小枝と白い鳩の糞で、絵描く、絵を、描かせてくれたからでした………。
なんとか、たまに、少しづつ、ちょっと、高いところまで、自分の力と知恵で、飛べるようになった、少し大きくなった、ツバメのせいちゃんでした……。
姉の子ツバメのなおちゃんと弟の子ツバメのよしくんは、その頃は、既に、高いところまで飛べる親ツバメになっていました。
とーきどき、少し、飛びながら、色んなところを、旅し、色んな動物達と仲良くなった、ツバメのせいちゃんは、ある日、元いた、森のあの巣に、帰る決心をしました。
帰ってみると、ボロボロの巣の後に、お母さんツバメのはるちゃんとお父さんツバメのとしくんが、休んでいました。
三匹のツバメは、力を合わせながら、なんとか、生きていきました…………。
ある日、あまり飛べない、ツバメのせいちゃんの元に、一通の手紙を、コウノトリの太郎くんが、運んで来ました………。
「昔の仲間の子ツバメ同士の集まり会」と書かれた、その手紙を読み、あまり飛べないツバメのせいちゃんは、その集まりに、出かける事にしました。
そこは、どんな、高い崖の上でも飛んで行けるような、猛者ツバメ達の集まりとなっていました……。
そう、森の地面から見ると、霞んでしまう程の高い崖の上でも飛んで行けるような猛者ツバメの集まりでした………。
本当に仲の良かった、ツバメのたかちゃんは、ツバメの医者になっていました………。
あまり飛べないせいちゃんは、羽と、巣から落ちた時の怪我で、折れた左足を、完全に、治してもらい、空高くまで、飛べる様になりました………。
『これで、僕も、森の地面から霞んで見える、崖の上まで、飛べるぞと………』
こうやって、あのあまり飛べなかったツバメのせいちゃんは、高くまで、飛べる様になりました……。
『巣から落ちたツバメのせいちゃん』 矢田誠一 @yattyann
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