満ち欠け
沙華やや子
満ち欠け
イヤリングにしたいような、キュートな三日月が浮かんでいる。今夜はなぜか月光で揺れてるみたいに見える。だから、よけいにアクセサリーのよう。
「ハ~…」深いため息をつく。スキなんて言えない。あたしはお店で働き始めて半年のホステス。昼の部だ。
片想いの彼、
少し遅いデビューなのかな? …水商売が初めての
クラブ鈴音のウェイティングルームは個室じゃないので、先輩の子達もいる。内気な
そんな塩梅で、いつものように賑やかなウェイティングルームに
しばらくすると、そう、ものの五分もしない内にムスっとした顔で弥生さんがテーブルからお客様を残したままウェイティングルームへ帰ってきた。即座に「
嬢にあるまじき心の持ちようかも知れぬが、目の前のお客様の事よりもお客様のビールと自分のジュースを運んできてくれた
次第にお客は
(やだ~! なにっ?! どうしよう!!)あたふたしている
「お客様、当店はそういったお店ではございませんので、女の子に触れる事はお辞めになって下さい」キッパリとそう言う。すると蛸おやじは
ウェイティングルームでは
夜の部の子達と交代だ。
優しい
今宵は先日よりもお月様がふっくらしている。クロワッサンみたい。あれ? あたしおなかすいてる? キャハ♪
ン~…
…愛を告げられないな~。恥ずかしいよ。でも、いつか。
満ち欠け 沙華やや子 @shaka_yayako
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