蝉時雨に濡れる二人のお話。
- ★★★ Excellent!!!
一気に読んでしまいました……。
本当に細かい描写一つひとつが優しくて言葉にならない程美しい。
化粧の持つ意味に様々な意味を持たせているところに、読んでいてこれでもかと惹かれました。
バス停という開放的でありつつもどこか閉鎖的な場所が一貫して舞台になっていることも、個人的にはとても好みでした。
夏の気怠さの中、蝉時雨に隠された二人によって交わされる会話。
そのどれもが読んでいると、まるで自分まで同じバス停にいるんじゃないかと思わせられました。
終わりも非常に素敵で、おとなとは何だろう。子供とはなんだろうと考えてしまいます。
本当に二人とも頭が良くて、これからもきっと色んなことを難儀だと感じるんだと思います。読み終わった今、この二人の未来を考えてしまう。そんな作品でした。
ステキな作品をありがとうございます。個人的にハハがドツボしてた。
夏の終わりにこの作品に出会えて嬉しかったです。