極貧の中で芽生えた夢は地獄の入り口か?
- ★★★ Excellent!!!
男女の明るい恋愛もの大得意の縞間かおるさんの最新作ですが、いつもの作風と全く異なり、くらい、まっくろけ。。
「ほんとに縞間さんだよなあ。裕〇さんじゃないよなあ」って見直しましたものw
主人公は、病気の夜鷹の娘ですが、母の仕事は知らず、極貧に耐えながら明るく生きています。やがて、母は病死しますが、それに気づかず健気に世話をしたりして、この子の優しさには胸が締め付けられます。
この子が、ようやく明るさを取り戻したのは、旦那様の家で綺麗な着物を着せてもらったときでした。それが地獄の入り口であると分かっている読者は、しかし引き取られていく女の子の背中を見送るほかないのです。その無常観よ。
縞間さんの新境地を見たのか、もともと書けるのに今まで書かなかったのかは謎ですが、これが書けるならこればっかり書いてたらいいのに、と失礼な感想を抱くほどの作品でしたw
これ、相当いいです。
みなさんも是非どうぞ。