思考するアドゥレセンス少女
黒巻雷鳴
思考するアドゥレセンス少女
わたしが通う中学校は、お世辞にも良い中学校とは言えない。
校舎が古いとか、いじめが多いとか、教師のセクハラ・盗撮が横行しているとかじゃなくって、ただ純粋に、なんとなく残念な感じがするからだ。
休み時間中のクラスは、小学生の頃とたいして変わらないし、みんなそれぞれ、無駄に馬鹿騒ぎをしてダラダラと過ごしているようにしか、わたしには見えてしかたがなかった。
──ガキどもが。
ほかの中学校ではどんな休み時間の過ごし方をしているのか、もちろんわからないし知らない。多分、どこの学校も同じ光景かもしれない。それでも、わたしには我慢がならなかった。
わたしたちは子供じゃない。
なかにはたしかに〝生物学的に未成熟な個体〟も大勢いるだろう。けれども、それでも、わたしたちはもう、子供じゃないんだ。
そんなことを今日も考えながら、廊下や教室で騒ぐ同級生たちを自分の席から
こいつらの行動でストレスを感じるなんてバカげているし、もったいないと自分でも思う。
だけど気になる。気になってしまう。
ひとりやふたり、五人とか十人じゃない。全員が、このクラス全体が、先生たちも、この学校全部の存在との共生が、
不安にも似ているけど、なにか違う。さびしくもあり、そうじゃない。
「ねえねえ、あのさあ──」
それに反応して笑顔で振り返る。
相手が違っても、話す内容に毎回中身はない。
大体いつも、こんなふうにして休み時間が過ぎていた。
思考するアドゥレセンス少女 黒巻雷鳴 @Raimei_lalala
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます