あらゆるものに対する様々な愛の形を提示する作品
- ★★★ Excellent!!!
閉ざされた独房で、処刑前夜の七日間だけ二人きりで過ごすジャウハラと看守のサフラ。
晩餐や小さな会話を通して、ジャウハラの過去が紐解かれるにつれ、物事に対する考え方、真摯な性格や優しさが少しずつ見えてきます。
「なぜ王を殺したのか」
その謎を軸に、二人の関係性や心の動きが描かれていくにつれ、短編なのに、まるで長編映画を見たような、不思議な気持ちにさせられます。
2人とも、死なないでほしい、誰もそう願うにもかかわらず、けれど、それは許されない状況であり、誰も望まない刑の執行が行われてしまいます。
この世の不条理、亡くなる前に食べたい素敵な食べ物、2人の素敵な思い出、愛の思い出、いろいろなものが目の前に提示されていきます。
愛には、いろんな形があると思います。
登場人物全てに、愛があります