カシュガルとこの世のものでないあの世の女

　アジアの辺境で暮らす孤児カシュガル。夏の間、村を離れ一人草原で家畜を養う。そこで得体の知れない物の気配を感じる。不気味さに耐えかねて姿を現すよう懇願し、さらに望む姿になるように願うと、どこか懐かしい若い女の姿に。それは三つの願いを叶える魔物。契約によりカシュガルの僕となると語る。既に二つの願いを聞き入れた魔物は最後の願いを促す。
　カシュガルは女を伴って村に戻る。しかし村長から魔物を連れ帰った者は村に置けないと告げられ、しかたなく村を出て女と共に草原を彷徨う。
　女は魔物でありながら人の温もりを湛え、次第にカシュガルは共にいて安らぎを覚えるようになる。しかし程なく渇きと飢えに苛まれることに。そこへ荒野の山城に居を構える暗殺団が現れ、二人を拉致する。山城で薬物に毒され暗殺者としての訓練を受け…続きを読む