読みやすい文章で、語彙力も素晴らしい。完璧に物語に飲み込まれました。記憶を失った青年の旅がこれからどのようなものになっていくのか気になります。ええ、気になりますとも。レビューというか、ただの感想になってしまいましたが、とにかく楽しかったです。
王道の本格ファンタジー。それ故に、文章表現や言葉のチョイスに覗かせてくる独特のセンスが、より強く際立つ作品です。いい意味で、ややクセの強い味わいを感じました。
文章の完成度が高く、比喩表現や形容の表現が光る作品でした。それでいて物語も、序盤からいきなりの展開に一気に興味を持っていかれます。掴みとしては素晴らしいとしか言えないでしょう。衝撃の序盤から更に一転二転していく物語。第一章の最後まで飽きる事なく読む事が出来ました。高い語彙力によって文章が磨き上げられたように美しく、かつ面白い物語内容。二つ合わさった作品です。
ままままに出てくる女性キャラはとても可愛い。ちょっとおかしい感じで可愛い。この可愛らしさを、ままままかわいい、と名付けたいと思います。新たなままままかわいいさんの登場を期待しています。
作品全体を染め上げる狂気がそのまま、人の心の悲しみに繋がっている。容赦なく残酷な世界で、あらゆる意味で無垢な主人公の生きざまが見もの。