エピローグ

 ユウレイ絵画の噂を解決した翌日の放課後。冬子と玲子は美術準備室改め、都市伝説研究部の部室に来ていた。

 「そういや、美術部の絵画や画材はどこに仕舞うことになるんだ? 棚はすっかり、トーコの本に占領されているみたいだが」

 「心配ないわ、レイレイ。元々この部屋は空き部屋になる予定で、新しい美術準備室は新校舎に移動することになっているの」

 「なんだ、そうだったのか」

 玲子はパイプ椅子の一つに腰を下ろすと、背伸びをした。

 「次は、例の噂を何とかしないとなぁ。何はともあれ、トーコがいつもの調子に戻って安心したよ」

 「部長はああ言ってくれたけれど、今回の件は反省しているわ。自分の信念のために、他人を傷つけるような選択肢を選んでいては、都市伝説研究家失格よね」

 「まぁ、今後トーコが選択肢を間違えそうになっても、あたしが止めてやるからさ。安心していいぜ」

 「頼りにしているわ、レイレイ」

 トーコはタブレットを開くと、次なる噂のために情報を整理し始めた。

 「そうだ、例の絵にタイトルを付けるとか言ってたよな」

 「えぇ。私は断ったのだけど、部長さんがどうしてもって言うものだから」

 「それで、決めたのか?」

 「そうね。少年が一人、歌を唄っている絵……。決めたわ。あの絵のタイトルは……」

 玲子はそのタイトルを耳にすると、肩をすくめて言った。

 「あぁ、いつものトーコだな」

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コウタイする絵画 那須村 裕 @nasumura

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