ゲームの通信ケーブルと三ツ矢サイダーがつなぐはじける青春

今の若者の心をスマホがつなぐように、20世紀の世紀末、登場し始めた携帯ゲーム機と一本の通信ケーブルが二人の青春を結びつけた。

ゲームを愛する夫婦が、シンプルだけど懐かしいゲームのあれこれを交えながら語る、高校時代の馴れ初めのお話です。
経験値0の男子が、屋上で見つけたヒロインといかにして交流するようになったか、そしてお付き合いするまでに至ったか?
頭の中に繰り返される、終わりのない恋愛シミュレーションゲームの選択肢……いえ、現実の女の子を前にした選択。とても透明感のあるはじけるような青春が実に清々しい作品です。
登場する商標が実名になった書籍は、実話だからこその説得力をさらに力強くし、その頃を知る人は懐かしい名前に当時を懐かしく思い出すのではないでしょうか。一方で、Web版も整理されすぎていないところがかえってよいのか、みずみずしく作者の感動が伝わってくる魅力もある気がします。

奥様がいつも繰り出す鮮やかで切れのいい切り返しに、エクセレントをおくります!

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