【2020年9月27日 多治見タワービル】

「現場から連絡です。実行犯の始末が終わったそうです」

「実行犯は手こそ出さなかったらしいですけど、梶木女史は低体温症で1週間ほど入院になるそうです」

「〝キズ物〟にならないよう、ギリギリで止める指示を出させていたんですけど、やり過ぎましたね」

「だけど、これで保科も大人しくなるだろ」

「ですが、やっぱり大げさな気もするんですが」

「イメージ戦略は大事ですよ。SNSでマッチポンプやってたなんて知られたら、それこそ炎上して手が付けられませんよ」

「それに、先週のテロのおかげで反対勢力をあぶり出せましたしね」

「今回の実行犯は、組織が寝返ったのも知らずに、こちらの指示通りに行動して、組織に切られて、始末されちゃったしね」

「ちょっと同情しますね」

「誰に? 梶木女史? 実行犯?」

「いえ、いえ、保科さんにですよ。選挙まで1カ月、辛いでしょうね」

「あぁ、そうそう今回使った『祖父の家』買い取ってくれるんでしょ」

「機密費から支払えますよ」

「助かった。もう売れないし、税金掛かるし、どうしようもなくて困ってたんだよ」

「キックバックよろしくお願いします」

「OK。1割ずつ株券で渡すよ」

「じゃ、秘書さんは、引き続き河辺市長の監視たのみました」

「わかりました」


 こうして、美咲は救出された。

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尾張名古屋共和国 よたか @yotaka

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