第6話 ルージュ・クノグラ

「ルージュ・クノグラ?」

「はい!それがこの本の名前です!」

「なんで君の名前がついてるの?」

「それは私がこの本の案内人だからです!」

「・・・よくわからないんだけど・・・」

「この魔導書、ルージュ・クノグラにはシリーズがありましてね、クノグラシリーズって呼ばれてるんですが、このクノグラにつけられた案内人がこの私!ルージュなのですよ!」

「つまりは・・・ルージュが案内人を務めるクノグラシリーズの一冊だからルージュ・クノグラってことかな?」

「そのとおりです!」


この子結構テンション高いな・・・ついていけるかな・・・


「何かほかに聞きたいことはございませんか?」

「どうやって現実世界に戻るの?」

「それは簡単です。帝斗さんが戻れと思うだけで簡単に戻れますよ。何せ契約はもう済んだんですから!」

「あ、そうなんだ」


と思った矢先、すうっと体が軽くなるような感覚と共に僕は現実の世界に戻っていた。見まごうことなく自分の部屋である。ルージュは隣にはいない。どこにいったのだろうか。

自分の手にはさっきの魔導書。タイトルがちゃんと読めるようになっている。


「ルージュ・クノグラ、か・・・」


ついに自分も魔導書を手に入れた、という達成感が身を沸かす。一人感動に浸っていると。


「はーい!」


と、さっき聞いた声が本の中から聞こえてきて、ポンッという音とともにルージュが姿を現した。


「どうかされましたか?帝斗さん!」

「いや、呼んでないんだけど・・・」

「そうなんですか?でもさっきたしかにルージュという私を呼ぶ声が聞こえてきたのですが・・・」

「本のタイトルを言ってみただけだよ」

「そうですか・・・じゃあ私は戻りまーす・・・」

「あ、ちょっと待って」

「なんでしょうか?」

「この本の中身って読んでいいんだよね?」

「当たり前ですよ。その本の持ち主は帝斗さんなんですから!ってああああ!!」

「どうした!?」

「帝斗さんにこの本の中身を解説しないと!」

「解説?そんなに難しいの・・・?」


ペラッと1ページ目を開く ”炎” と書いてある。

次に2ページ目を開く・・・何が書いてあるのかさっぱりわからない。

そして3ページ目を開く・・・何が書いてあるのかさっぱりわからない。

さらに4ページ目を開く・・・以下同様・・・。


「ねえ、ルージュ。これ2ページ目から読めないんだけど」

「当然です!何もせずに魔法を使おうなんて甘いです!あまちゃんです!」

「じゃあいったい何をしたら?やっぱり修行みたいな?」

「そうですね。でもまず解説から始めていきますよー!」


という声から、ルージュ教授の魔導書の解説は始まったのである。

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クノグラの魔導書 がるしあ @Garucia

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