6
☆☆☆
校長室にて。
学園なのに校長と呼ぶのは昔の学園長が「学園長じゃなくて校長だ」とか言い張ったせいである。なんともワガママな校長である。そこからいつしか学園長ではなく、校長と呼ぶようになったのである。
校長席に座る男は校長ではない。
その男の前に立つ女の秘書。
「よろしいのでしょうか?」
「ん?何が?」
男が聞くと秘書は、その可愛らしい眉間にシワを寄せた。
「このようなやり方は……」
「何を言っているのかな?これは今後の日本の為でもあるんだ。この井津間学園から日本を変えるんだ。所詮、日本の教育委員なんて綺麗事を言っているにすぎない。僕はねぇ
「……」
正直、言っていることがわからない。この男は何がしたいのか。何故こんなことをするのか。秘書は返答に迷った。
「……まぁ答えなくてもいい。僕は人に賛同を求めるつもりはないからね」
ひねくれている。この男はひねくれている。
――どことなく考え方が龍将に似ているような気がする。
☆☆☆
普通の制服(男物)を着て学校に来たわけだが。いや当たり前なのだけれども。
何故だろうこのクラスメートの痛い目線は。一応高校生活始まってまだ2日目なのですれども。俺なんかした?
と、男子全員が俺を取り囲む。
【龍将(津我)く〜ん。ちょっと屋上行こうか〜】
何故にハモる!?
あまりにも恐ろしかったので言われるがままに屋上へ行くと。
「なんだてめぇ!ハーレムしやがってぇ!」「さっさと三途の川渡ってこい!」
「岡田先生から聞いたぞゴラァ!」
「年下にまで手を出しやがって!」
「6股か!?あん!?」
「てめぇの女装に惚れちまったじゃねーか!どうすんだ!」
「とにかく死ねェェェェェェェ!」
などといったことを言われながら蹴られ、殴られていた。2日目にして服ボロボロ。あいつらに金払わせたろうかあん?
とりあえず、一つ一つツッコミをしていこう。
……あのクソ教師ィィィィィィィィィイ!マジ許さねぇ!何故話やがったぁぁぁぁ!
みんな俺に嫉妬か!そうなんだな!俺が羨ましいんだな!メンバー考えろゴルァ!
年下って岡先生の娘のことか!?そうならてめぇの目を疑え!
6股っておまっ!どこのヤ○○ンだ!
俺の女装意外に可愛かったもんな!自分でも惚れちまうほどだ!でもどうすんだとか言われても俺は知らん!岡先生に聞け!
俺だって死にてぇわ!
俺は青空を見ながらツッコミをした。
どうしよう服。変えは一応あるが、それは寮にある。確実に間に合わない。ハァ……先生に言いにいこう。ついでにいっちょ殺ろうか。
と、起き上がろうとした時。またしてもあの光景が。しかもそれが5倍となって。
「だ、大丈夫!?」
「りょ、龍将君……!大丈夫……!?」
「チッ……」
「素晴らしいBL――」
「あん?」
「――大丈夫ですか!?」
「君……よく死なないねっ!」
後半3人どうにかしてください。地味にキャラ戻る藍里とスーパーアオノリシスターズの
てかなんでここにいるのだろう。まさか着いてきたのか?前の(現在も)藍里ですか?ストーカーですか?牢獄入りますか?
やはりこう見ると顔立ちは全員綺麗なんだよな。……ハーレムってこういうことなんだな。……勘違いするな。決して学園ラブコメを認めるわけではない。そんなものはいらない。
「まぁなんとか――」
なんというタイミングだろう。突風が吹き、女子達全員のスカートがヒラリと。
……パンツちゃん達。また会ったね!
【キャァァァァァァァァァァァァァァ!】
「ちょまっ――――」
そんな俺の声は聞こえるはずはなく。
「は、恥ずかしい……!」
「りょ、龍将君の……エ、エッチ……ッ!」
「殺す。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
「死んでください」
「もうっ!嫌だっ!」
さぁ異世界への旅立ちだ――さらばこの世界よ――いつかまた会おう――
と心の中で言っていると女子達はドタドタと走り去っていった。
どうやら異世界には行けなかったらしい。
と、
【リョ〜ス〜ケク〜ン】
男子陣がゾロゾロと帰ってきた。はいわかります。
「女子達がそっち行ったから見に行ったら!」
「5人全員のパンツ見やがって!」
「とんだ覗き魔だな!」
「どうしてお前ばっかり!俺だってみたいよ!」
「……もう俺は女子のパンツ見ないと生きていけない……」
「女子のパンツ見たいぜヒァッハー!!」
最後の2人頭大丈夫か!?
ボコボコにされました。
岡先生男子に俺がハーレムだと言いふらす
↓
男子俺に嫉妬する
↓
男子にボコられる
↓
女子のパンツ見る
↓
女子にボコられる
↓
男子それに嫉妬する
↓
男子にボコられる
↓
異世界への旅立ちの始まり
さぁ異世界へ行ってみよう。
学園ラブコメなんて俺は認めない 高橋創将 @takahasi0131
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