時間。

青葉台旭

時間。

あなたは、今、ここにいた。

ぼくは、今、あなたのとなり。

ゆっくり動いている丘の上から、町を見下ろしました。

昼は消えている灯り柱が

こっそりぼくらを見ていました。

まっすぐ立ってる杉の木も

こっそりぼくらを見ていました。

のろのろ流れる丸い雲も

こっそりぼくらを見ていました。

水を一滴のみましょう。

自販機、行って、買いましょう。

二人で、言って、飲みました。

あの通りは、初めて歩いた記憶がある。

お父さんと。お母さんと。歩いた。

そのとき、あなたはきっとべつの町でべつの通りを歩いていたんでしょう?

幼稚園まで歩いて五分。

小学校まで歩いて十分。

ぼくの町。ぼくの町。

ぼくの時間。ぼくの時間。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

時間。 青葉台旭 @aobadai_akira

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る