ファンタジー異世界に流出した「主人公たち」の冒険譚……という王道的“真ん中速球”と見せながら、実はそこからストンと落ちる変化球が実態。 なぜならここでの「主人公たち」とは、一組ではないからだ。 web小説「らしさ」を保ちながらも、オリジナリティを諦めないそうした作者の姿勢は素直に敬服する。 読者の願望を転写する「異世界転生勇者もの」とは一線を画す、ひと味違った状況設定に、【第二部】以降への期待がやまない。何十万文字かかろうとも完結して欲しいと思う。
まずタイトルがいい。 異世界ファンタジー好きなら、気になって「読んでみようかな」と思うのではないだろうか。斯く言う私もその一人である(笑) そして内容と言えば、『安心して下さい、上質な異世界ものですよ』とお勧めできるものとなっている。 空から降ってきた異世界の少女がどう物語に関わってくるのか、今後に期待だ。
異世界ファンタジーは序盤が大事と申します。たった数行で行ってしまう方もいれば、本作のようにじっくりと人物造形を描き込んでから行く方もいます。前者は行ってからの勢いで、後者は既に出来上がってるキャラとともに進む、といった違いでしょうか。後者でいくと決めた作者に期待。修学旅行という一生のイベント、それも王道の奈良・京都から始まるのも個人的に好みでした。