二つの可能性を秘めた、一つの冒険譚【★】

 ファンタジー異世界に流出した「主人公たち」の冒険譚……という王道的“真ん中速球”と見せながら、実はそこからストンと落ちる変化球が実態。
 なぜならここでの「主人公たち」とは、一組ではないからだ。
 web小説「らしさ」を保ちながらも、オリジナリティを諦めないそうした作者の姿勢は素直に敬服する。
 
 読者の願望を転写する「異世界転生勇者もの」とは一線を画す、ひと味違った状況設定に、【第二部】以降への期待がやまない。何十万文字かかろうとも完結して欲しいと思う。
 
  
 

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