終了。

星丸

お疲れ様でした

ごく普通の何処にでもいる会社員の男。


今日もいつもの仕事が終わり、いつものコンビニ、いつもの帰路、いつものアパートへ帰ってきた。

「ふぅ〜…さぁて、飯♪風呂♪晩酌晩酌〜♪」

何気ないひとときを過ごし、晩酌も進んで

気がつくと時計は午後11時を回っていた。

「さぁて、明日も早いしそろそろ寝るかなぁ…」

グラスの焼酎を飲み干し、そのまま横になった。

季節は春先、まだ肌寒いが酒の力も手伝い心地よくうたた寝に入った。

二時間ほど経っただろうか、酒のせいもあり尿意を感じ目を覚ました。

「ん〜…ありゃ、なんだまだ2時か…」

トイレから戻ると、再びグラスに焼酎を注ぎ、一気に飲み干して再び眠りに着いた。

よくある事で、その日も夜中に度々目が覚めた… そのたびに時計を見ると、1時間から1時間半ぐらいしか時間が経過していない。

「…ん〜、全然寝た気がしない…まぁいいや、寝よう」

また眠りにつき、また短時間で目を覚ます。

それを何度か繰り返したのち

男は違和感を覚えた…

時計を見ると朝の7時を過ぎていた。

「おかしい…もう朝の筈なのに、暗い‼」

それにやたら寒いのだ。

まだ春先だからとか、そういう問題ではないぐらい寒い。こんな寒さは関東地方ではじめての感覚だった。

カーテンを開けて外を見る。

「真っ暗だ、街灯の明かりも消えてる…」

時間的に街灯は消灯している為、真っ暗闇の窓の外だった。

ちらほら見える明かりは自動販売機の明かりだった。

「はっ? えっ?なんだ?こりゃ?

寒い‼おかしいだろコレ…」

部屋にある温度計を見ると、気温は氷点下を下回っていた。

男はガタガタ震えながらテレビのリモコンのスイッチを入れた。

やたらと騒がしい報道番組が流れてきた。


[この番組をご覧の皆さん、どうか落ち着いてください。けしてパニックにならずに戸締まりを厳重にして外出は控えてください。]


「なんだなんだ?ただ事じゃないぞ」


[繰り返しお伝えしております、先ほど入った速報によりますと、今から1時間ほど前に突然太陽が消滅したとの事です]


「おいおいマジかよ…」


[これから地球はどうなってしまうのでしょうか]

「しるかよ?」「なんとかしろよ!」

こうして世界は、いや地球は凍りついた。


〜完〜

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終了。 星丸 @hoshimalu

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