第8話
『世の中には』
世の中には
愛があるだろう
それを知らない人も いるだろう
助けられないことも あるだろう
悲しくても 泣けない人がいるだろう
待っている人が
来ない
自分で行くしかないのだと
そう思っても 動かない年月
私の心
恋はしない
それもいいのだろう
愛の痛み
別れはどうして いつまでも
風のように 去って行かないの
あなたのことを
想わずにいられない
私も知らない 幼いあなた
思ったことは同じでも
いまでは異なる生き方を
選んできたのだから
生きてこざるを
えなかったのだから
赦してあげて
私があなたを
あなたが私に
そうするように
『軽い明日』
緑の庭
あなたの声
あなたの足跡
私の悲しみに
たどり着いて
見ている空の彼方には
鉛色の現実
そんなもの 求めやしない
求めやしないのに
あれしか見えない
ひどく傷付いたあなた
治せない飢餓
終わらない苦痛
罪人だと悟っても あきらめないで
自分の顔をぶたないで
守り切ることはできなくても
守りたいとは思ってあげる
冷たくされてやじられても
嫌いにならないでいてあげる
そんなことからはじめましょう
終わらない痛みに
悲しすぎるあなたをあてがい
生きていく
悪者の私を
「生きていく」
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