Party・of・tha・Blood

@karekinohara

世界の変容


3年前のその日から世界は変わった。



なにが変わったと言われれば大したことはない、ただ世界で最も繁栄していた種族である人間という種が変わっただけのことだ。



境界線は夢だった。



あの日。この世界の約半分にあたる人類がほとんど同じ夢を見た。




そして、次の日から夢を見た人間は例外なくその姿を変貌させた。



まるでお伽話にしか出てこないような魔物のような姿に。



そして一部の人間は魂までもが変わってしまった。


そして魂が変わった元人間は、魔獣と呼ばれ、理性を無くし他の人間を襲い、壊し、食べ、繁殖した。




しかし、魂が変わらなかった元人間達はそれを見て人間を守ろうと魔獣を駆逐し始めた。そのものたちは魔人と言われた。



変わらなかった半数の人間はその日を境に魔法という技術を手に入れ魔獣に反抗した。



こうして、普通の世界は変わり、一度終わりを迎え新しい世界が始まった。







後に分かることだが、夢の内容とは次のようなもので、魂の変わらなかった者たちは全てこう答えたらしい。







異形の魔物と対峙した……と。










そして、3年前僕もその日夢で異形の魔物と対峙した。





他の人たちは対峙して見つめあっただけかもしれないけれど、僕は違った。




確かに対峙したのは一緒だった。




そして、異形の魔物というのも一緒だろう、いや少し違うかもしれない。なぜならあの魔物は、背が凍るほど美しかったあの鬼は。




魔物なんかにはどう見ても見えない。




ただの女の子のようにしか、僕には見えなかったのだから。


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