2話目 優しさの配り方
夏休みに入る前に風邪をひいてしまった。熱は38.6度。病気になることがあまりなく、風邪をひいてしまうと慣れてないせいか、37度を越えてしまうととてもしんどくなってしまう。38度ともなると起き上がるのさえ辛くなってしまう。それなのに母は、私が風邪をひいた事に怒っている。
「お弁当作っちゃったじゃない。時間返してよ。」
返せるものなら返したい。でも好きで風邪をひいている訳じゃない。母がインフルエンザにかかった時は、おかゆを作ったり、ポカリスエットを買ってきたり、宿題や提出物の時間を削って家事だってしたし、母が夜唸り続けて一睡も出来なくったって私は怒らずに治るまで看病していたのに。だって、病人に対して怒らないことは当たり前であると思うから。なのに母は、貴女は、慣れない病気で苦しんでいる時でさえ私の心を傷付ける。 結局、学校に居ても家に居ても何も変わらない。私は与えるのみで、与えた分だけ嫌な事だけが返ってくる。これだから人間は嫌いだわ。そう思う自分も人間なので、自分の事も嫌いという事になる。でも、自分の事が嫌いなくせに他人に好かれようとか無理な話よね。だから好かれる事をやめたの。自分を好きにならない代わりに自分以外を好きになろうと決めているの。誰も好きになれなかったら、私は、時々何のために生きているのか分からなくなるから、人を好きになるのってすごく大事よね。人間は嫌いよ。でも、人間には必ず良いところがある。私が持ってない何かを持っている凄いところが。だから好きになる。幾ら嫌いでも、元いじめっ子の人であろうと、 死んでしまった時は涙を流せれるくらい好きになれる。私に良いところがあるとしたら、何でも好きになれるところかしら。…でも虫とかナスとか運動とか、それは無理よ?何でもっていうのは人間の性格とかのみだから。母は私のことが嫌いなんでしょうけど、私は好きだよ。今は怒ってるけど、数時間経てば優しくなってる。まぁ、偽りの優しさなんでしょうけど。でも、偽りでも心配してくれるのは嬉しいな。でもいつかは私に愛想が尽きて手放す時が来るでしょうね。その時は止めないからね。だって手放す事が母の幸せなんでしょう?ならば私は幸せの道を邪魔しないようにしてあげるのみよ。
__いつまで偽り続けれるかな?
信じぬ与える者 孤真流(こまる) @komaruneko
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