信じぬ与える者

孤真流(こまる)

1話目 温もり

__寒い。今は夏で、冷房はつけておらず、扇風機しかつけていない。ベッドで寝ている私は、冬に使う暖かい毛布を肩までかけて、空気が毛布内に入らないようにして寝ている。そのため、全身から汗が出て、体がベタベタする。なのに私は寒く、凍えているように震える。寒い理由は知っている。親から愛されない、友達として扱われない、唯一の友達との別れ…。最近、人の温もりを感じられなくなっている。私は温もりを求め、親の手伝いをしたり、吹奏楽部での活動を頑張ったり、人に尽くすようにしているのに、いつまで経っても温もりが感じられる事はない。なんでだろう、と考えているうちに、一粒の涙が溢(こぼ)れ、また一粒、また一粒と、涙が溢(あふ)れだす。泣き止んで、時計を見てみると、もう朝の4時だった。というのも、暑くてずっと寝れていなかったのだ。泣いたせいかまぶたが重くなり、ゆっくりと眠りに落ちていく___


目が覚めたのは朝7時で、体が汗でベタベタしてとても気持ちが悪かった。顔を洗って、制服に着替え、朝ご飯を食べる。


___今日は温もり感じられるかな。


そんな事を思いながら、家の扉を開けた。

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