不思議な世界

whiteの手をとった瞬間、目が覚めた。


「あれ、私…」



さっきの事は夢だったのだろうか?

リアルな夢の中の出来事に首をかしげながら私はお気に入りのブラウスとスカート、こないだのお誕生日にパパから貰った

ポンチョとママから貰ったリボンを頭につけ、昨日見つけた本を片手に庭へと出た。



「この木の裏、小さな穴が合ったけど、それが実は不思議な国への入口だったりして…」



そんな事を呟きながら木の裏を見てみると、本当に大きな穴があった。


「あ、あれ…?」


ある筈もない大きな穴に私は混乱しながら近くにあった小石を投げてみた。


小石は何回か壁にあたったようで、響きながら下へと落ちる音がした。



「…結構深いみたいね。

どうしよう、中に入って見るべきかしら…」



私が悩んでいると穴の中からどこかで聞いた声が聞こえてきた。



「Alice、怖いことは何一つないから、不思議な世界へおいで…?」


「この声…white?」


今朝の夢で聞いた声に似ていて不思議と怖くなくなっていた。


私は少し深呼吸をすると、意を決して穴の中へと飛び込むのだった。




気が付くと私は、綺麗なお花畑にぽつんと置かれたふわふわな羊さんのクッションの上にいた。


「すごく、ふわふわで…可愛い!

羊さん、ありがとう!おかげで痛くなかったよ!」


のんきに微笑む私の背後から声が聞こえてきた。


「やぁ、Alice。

不思議の国へようこそ。

夢の続きをしようではないか。」



そこにはとても無邪気な笑顔で手を差しのべるwhiteがいた。


私はゆっくり頷き、whiteの手を取った。



「white、よろしくね!」

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不思議の国の少女 ましろや。 @msryasr

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