ここのところ、幸せについてすごく考える。自分なりに考え出した答えが、「幸せとは、不幸なことを忘れている時である」だとした。この物語の登場人物もそうだ。少女は視力を失い、男は耳が聞こえない。「足りない二人」なのである。そして二人が幸せになった瞬間、二人のハンデも消え去る。これを、「不幸を忘れている瞬間」だと思うのは、私の拡大解釈だろうか……?いずれにしても、幸福というものを考える良い機会になるはずである。文体も優しく、受け入れやすいものになっている。是非ご一読を。