不思議の国の少女
ましろや。
誘い
ある所に賢くて好奇心旺盛な少女、アリスが居ました。
少女はたくさんの本を読み、その本に書いてある全ての世界へ行くことが夢でした。
そんなある日、少女は自分と同じ名前の女の子が出てくる不思議な話に出会いました。
少女は毎日何度も繰り返して読むほどその話を気に入りました。
そんな少女もしばらくするとまた新しい本に出会いその物語をすっかり忘れてしまいました。
アリスが16歳になった冬、物置を整理しているといつかの本が出てきました。
アリスは昔の事を思い出し、懐かしく思いながらゆっくり開いてみました。
…しかし、その本の中には一つ大きな物が欠けていました。
それは…自分と同じ名前のAliceと言う少女でした。
首をかしげながら探してみてもなかなか見つかりません。
おかしな事もあるのだな。と思いながらその本を手に物置を後にしました。
それからしばらく、アリスは度々不思議な夢を見るようになりました。
それは、昔に好き好んで繰り返し読んでいたあの物語と全く同じものでした。
それに何故か自分がAliceとして物語を進めるというもの。
少女はワクワクと多少の不安を感じながら、夢の中で何度も何度もその世界を旅していました。
そんなある日、夢の中でとあるうさぎの少年と出会いました。
「やぁ、Alice。
僕はwhite rabbit。
気軽にwhiteと呼んでくれ。」
「…white、何故あなたは私の事を知っているの?」
「何故ってそれは…君がこの
少女はビックリしながらwhiteの話を聞きました。
「この世界は壊れ始めている。
だんだんこの世界の住人が風化し、消えかかっているんだ。
だから、僕、whiteはこの物語のことを愛してくれる人間をこの世界へ招待して、オリジナルを引き継ぐ役目をしているんだ。」
「…ただの物語に消滅なんてあるの?」
「もちろんあるさ。
誰も居なくなった物語はひっそり消滅して誰の記憶からも無くなるから、消えたことに気づけないだけなんだ。」
そう言われると、なんとも言えなくなり、黙ってしまった。
そんな私に笑いかけたwhiteは手を差し伸べた。
「さぁ、お嬢さん、素敵な世界へ旅をしませんか?」
戸惑いながらも私はコクリと頷きwhiteの手をとるのだった。
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