このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(237文字)
校正者の日常から始まり、他人の記憶が混入していく過程を淡々と描くことで、静かな不気味さが積み重なっていく短編。誤植を見抜く職業的感覚が、異常の兆しとして転用される構造は巧みだが、演出は過度に劇的ではなく、あくまで主人公の生活の延長として進む。味・匂い・声といった感覚的なズレが徐々に広がり、最後に「自分とは誰か」という問いへ収束する。派手さはないが、じわりと残るタイプのホラー。
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