概要
落とし物が、勝手に歩いて帰るわけにいかないだろ?
山手線の電車とホームのちょっとした隙間に落ちた『彼』。目が覚めた場所は、落ちる前に彼がいた場所とよく似た『別の世界』。
そこは【拾得物保管室】。そこで出会った拾得物保管室の『室長』を名乗る男が言うには、隙間には色んなものが落ちてくる、人間が『世界』から落ちてくるのも珍しい事ではなく、「今のお前は拾得物扱いだ。誰かの迎えが来なきゃ、ここから出ることはできんのよ」と『彼』に告げる。
混乱する『彼』を尻目に『室長』を名乗る男は、突如として現れた二枚貝のような化け物に相対し淡々と処理をする。落ちてきた物の成れの果て——『室長』が『間物』と呼ぶそれらは、世界の狭間から落ちてきた後に拾われなかった結果、無差別に破壊行動を取るという。そうならないように落ちて来たものを拾得物として保管する仕事があり、それ
そこは【拾得物保管室】。そこで出会った拾得物保管室の『室長』を名乗る男が言うには、隙間には色んなものが落ちてくる、人間が『世界』から落ちてくるのも珍しい事ではなく、「今のお前は拾得物扱いだ。誰かの迎えが来なきゃ、ここから出ることはできんのよ」と『彼』に告げる。
混乱する『彼』を尻目に『室長』を名乗る男は、突如として現れた二枚貝のような化け物に相対し淡々と処理をする。落ちてきた物の成れの果て——『室長』が『間物』と呼ぶそれらは、世界の狭間から落ちてきた後に拾われなかった結果、無差別に破壊行動を取るという。そうならないように落ちて来たものを拾得物として保管する仕事があり、それ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!圧倒的な筆致で紡がれるダークファンタジーミステリー
割れるような頭痛、ラッシュ時の不快な歪み、そして「ホームと電車の隙間」への落下——。
圧倒的な筆致で描かれる冒頭から、目を覚ましたのは、コンクリートと巨大な棚が立ち並ぶ「拾得物保管室」でした。
そこに保管されているのは、壊れた眼鏡や財布といった「物」だけではありません。
誰かが落とした「思い出」や「誓い」、そして「記憶を失った人間」。
本作の最大の魅力は、「落とし物」という身近なモチーフから広がる、濃密で美しい独自の世界観だと思います。
打ち捨てられた想いが異形へと変貌した「間物(まもの)」との緊迫感あふれる戦闘。
さらには、現実と並行世界が混ざり合うシステム。
そこに漂うのは、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!拾われた人と、拾う人。けれど本当に帰れないのは誰なのか
記憶を失い、「拾得物」として保管された主人公・マシロ。
彼を拾ったのは、拾得物保管室の室長だった。
奇妙な「間」を巡りながら、自分の持ち物や記憶、そして人との縁を少しずつ拾い直していくマシロ。
一方で、何でも知っていそうな室長にもまた、帰れない理由がある。
誰かを探すこと。
誰かに探してもらうこと。
縁を繋ぐこと。
そして、ときには縁を切ること。
「落としもの」という日常的なモチーフを使いながら、喪失や執着、居場所を描いていく世界観が秀逸。
怪異ものとして先が気になるのはもちろん、話が進むほど、マシロと室長――二人の「帰る場所」がどうなるのかが気になってきます。
『落としものは帰…続きを読む