概要
なごや幻影奇想シリーズ『共鳴糸エンゲージメント』の重大なネタバレを含む内容です。
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異能調香師・百花(もか)の営む香りの専門店には、お香やアロマを求める客のほか、ちょっとした心霊相談を持ちかける客がやってくる。
客の悩みをサラッと解決しつつ、さまざまな念や運気を集めては、それらを市松人形に吸わせる毎日。
ちょっと不思議なその人形には、ある人の魂が宿っており——?
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!小粋で軽やか、大変美味な掌編集。
小粋で軽やか、大変美味な掌編集です。
この作者様のいつもの作品がくっきりとした油彩画ならば、本作は淡彩画の味わいです。どのエピソードも透明でキラキラして、作品の舞台で香る香が読み手の鼻先にまで漂ってくるようです。
この作者様の作品は、読み手としてどっぷり背中を預けられらる……と、いつもそう感じます。
欲しいところにたっぷりと豊かな情景や心情の描写があり、文字量に対し物語の広がりと奥行きがとても大きく濃密です。読み手の感じる不足感や違和感が丁寧に掬い上げられ、取り除かれている、そんな丁寧な仕事を感じます。
この充実した読後感は、作品に書き手の真摯な情熱が注がれたからこそだと、深く頷かずにい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!欲張りモーニングセットみたい
前作からの繋がりがある短編集です。
とはいえ、作中でもさらっと説明があるので、これだけ読んでも理解はできるでしょう。
しっかり味わうなら、前作も是非!
お香のお店をしている百花(もか)さんと、お人形に入っているカイコさんの二人を主軸に、色んな場面を見せてくれます。
ほのぼのとした日常、お客さんの話を聞いたり、いっしょにドラマを見たり。
前作の主人公である服部くんが出てきてニコニコしたり、はとこの皓志郎との関わりはちょっとドキドキさせられたりと、百花さんの色んな面も見れます。
作中で百花さんは皓志郎さんといっしょにモーニングセットを食べるのですが、名古屋のモーニングはボリュームたっぷり。
こ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!31の言葉を撚り合わせた縁と絆の糸が、きっと見える。
文披31題という企画に沿い、指定された31のお題に基づいたお話によって紡がれた物語です。
各話のタイトルがそのお題ですが、一目瞭然で統一性のないバラバラなものです。
でも作者さまは、きっちり筋の通った物語に仕上げられました。
『なごや幻影奇想シリーズ』と題された一連の作品に登場する、百花(もか)さんという和装美女(!)が主人公です。
異能調香師であるところの百花さんは知的で面白く、なにげない会話も思わずフフフッと笑わされてしまいます。
そんな百花さんと、師匠のカイコさんとの軽妙な会話が続いていくのですが……
二人の絆、百花さんのあまり見られない一面。百花さんとはまた違う、楽しいカイコさん…続きを読む - ★★★ Excellent!!!美人店主の不思議な日常。さあ、今日はどんな『香り』に出会う?
名古屋の某所、どこかノスタルジーを感じる商店街の中にそのお店はある。
アロマやお香を扱う、女性客に好まれそうなモダンな店構え。店主ははんなりとした着物が似合う美女、百花(もか)。
そんな百花のもう一つの顔、それは心霊相談を請け負う『異能調香師』である。
日々くるりくるりと忙しく働く彼女を見つめるのは、揃いの着物を着た不思議な一松人形。
「カイコさん、変な文章を書く怪異ですよ」
変わった『依頼』のあとは決まって、百花はその人形『姫子ちゃん』に話しかける。
かつて自分にあたたかな居場所をくれた、ただひとりの師匠のことを想いながら──。
***
作者様の(どれもこれも素敵だけれど)代表…続きを読む - ★★★ Excellent!!!愛しく柔らかで美しい、ひとりと一体で過ごす、7月の日々。
アロマオイルや香水など、香りの専門店を営む、和装美人な百花さんのお店にいるのは、「姫子ちゃん」と呼ばれる可愛い人形の看板娘。
けれど、姫子ちゃんの中には、異能の調香師である百花さんの師匠とも言える大切なひと「カイコさん」の魂が宿っていて……。
この物語はそんな二人によって紡がれる少し不思議な日常譚です。
お題にそって書かれているそうですが、31日分のお題でそれを見事に一編の物語に仕立て上げているのがさすがですっ!(*´▽`*)
読むと行って見たくなる百花さんのお店で繰り広げられる物語。
ぜひお楽しみください~!(*´▽`*) - ★★★ Excellent!!!名古屋の『香り』のお店でのちょっと不思議な心温まるショートエピソード集
名古屋の『香り』を営む、和服美人の店主の百花さん。
一人で切り盛りしていると思いきや、命を宿った市松人形と軽口を叩きながら、日々お客さんの相手をしています。
さて、この『香り』のお店は、香りのものを売っているだけではなく、ちょっとしたスピリチュアルな相談にも対応しているお店。
何と、この女性店主は『異能調香師』でもあって、霊を操ったり念を扱ったりすることができるのです。
陽澄すずめさんの人気作の1つ、なごや幻影奇想シリーズ『共鳴糸エンゲージメント』のスピンオフとなっていますが、物語自体は基本的にはショートな1話完結です。
日々悩めるお客さんに、百花さんはどう対応するのか。
そして、市松…続きを読む - ★★★ Excellent!!!命の宿った人形との、ちょっと不思議な日常にほっこり(●´ω`●)
香りの専門店を営む裏で心霊相談の仕事もしている主人公の百花。一人暮らしでお店も一人で切り盛りしている彼女には、人間ではない相棒がいます。それは市松人形の姫子ちゃん。姫子ちゃんにはある人(?)の魂が宿っていて――
ちょっとした怪奇事件を取り扱ったりもしますが、基本的にはちょっと不思議な日常のお話がメイン。
とくに姫子ちゃんの中の人がとっても個性的で、思わず笑っちゃう話がいっぱいでした☆
とはいえ、不穏なことが起こりそうな予感も織り込まれています。ストーリーの最後の方は、ハラハラドキドキ。目が離せない展開が続きます。
『文披31題参加作』とのことで、おそらくは決められたお題に沿って物語をつづ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!夢か現つか。怪異の気配が香気のごとく優しい物語集!
「文披31題」の企画に沿って綴られる本作は、それぞれのお題に即した独立した小さな物語として楽しめる一方、語り手である百花さんと、カイコさんという神的存在によって、単なる短編集ではなく連作としての面白みがあります。
この作品集には日常と非日常の境界が曖昧に溶け合う独特の世界観があり、それが舞台となる名古屋という土地柄にまつわる空気感によくあっているんです。
というのも、カイコさんの名古屋弁が、どこか郷愁をさそい、神的存在であるにもかかわらず、とっても身近に感じられて惹きつけらるからだと思います。
洗練された筆致で描かれる登場人物たちのやり取りや、ふと背筋が伸びるような怪異の気配が、香気の…続きを読む