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概要
完璧な謀反と、杜撰な後始末。この勘定は、合わない。
なぜ光秀は、勝ったあとの算段を一つもしなかったのか。
天正十年六月二日、本能寺炎上。織田信長の遺骸は、灰の中からついに見つからなかった。
山崎の合戦のあと、羽柴秀吉は若き算勘の吏・石田佐吉に命じる。
「筋の通った一本の話を書け。筋の通らぬことを見つけても、胸ひとつに納めよ」
帳面を繰る佐吉の前に、合わない数が次々と浮かび上がる。
事前の調略が一通もない謀反。囲まれる前から泣いていた小姓。
具足を着けなかった上様。そして、消えた遺骸。
数は並べられる。だが、その数が描く絵が読めない。
佐吉は堺へ向かった。老いた茶人・千宗易の、二畳の茶室へ―。
天正十年六月二日、本能寺炎上。織田信長の遺骸は、灰の中からついに見つからなかった。
山崎の合戦のあと、羽柴秀吉は若き算勘の吏・石田佐吉に命じる。
「筋の通った一本の話を書け。筋の通らぬことを見つけても、胸ひとつに納めよ」
帳面を繰る佐吉の前に、合わない数が次々と浮かび上がる。
事前の調略が一通もない謀反。囲まれる前から泣いていた小姓。
具足を着けなかった上様。そして、消えた遺骸。
数は並べられる。だが、その数が描く絵が読めない。
佐吉は堺へ向かった。老いた茶人・千宗易の、二畳の茶室へ―。
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