概要
「商人ならそろばんで弾け」十三歳の少年が弾く算段が砂害から故郷を守る!
舞台は江戸時代、海沿いにある寒村の白砂町。
激しい潮風がもたらす『動く白砂』と『塩気』は、無慈悲に田畑を侵食し、最愛の母の命を奪うきっかけともなった。
廻船問屋の跡取り息子・惣助(13歳)は、絶望の中で一人の変わり者の町医者・順庵が行っていることを知る。
順庵が孤独に挑んでいた「砂を防ぐ十万本の松」という壮大な夢を知った少年は、じいたちと一緒にこの無謀な挑戦に取り組むため、大人顔負けの冷徹かつ熱い「算段(ビジネスプラン)」を武器に立ち上がる。
お上の役人や職人たちを動かし、ついに白砂の浜へ千本の松を根付かせることに成功するが――。
それから二年後。元服を迎えた惣助(15歳)を待っていたのは、新植した一万本の苗が根絶やしになるという故郷のさらなる絶望だった。
俺のそ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!そろばんと算段で、砂に沈む故郷を救う少年の商い成長譚
故郷を救うと聞くと、戦ったり偉い人になったりする話を想像するんですが、この主人公・惣助が武器にするのは“そろばん”なんです🧮
海から飛んでくる砂と塩で、少しずつ田畑が駄目になっていく。
じゃあ松を植えよう――で終わらなくて、その苗木はどうする?金は?人は?役人をどう納得させる?と、一つ進むたびに現実的な問題が出てくる。そこを13歳の商人の息子が、数字と算段でひとつずつ崩していくのが気持ちいいです。
それぞれの持っている知恵や仕事が少しずつ噛み合って、「一人では絶対無理だったこと」が形になっていく。この感じがすごくいいです。
物語が進むと商いの話もぐっと濃くなって、今度は品物の価値や信用…続きを読む - ★★★ Excellent!!!そろばんと知恵で切り開く、奇跡の群像劇
砂害にさらされる白砂町を舞台に、亡き母の無念と故郷を守るため立ち上がった商人見習いの惣助。
「変わり者」と嘲笑されながらも、浜に木を植え続ける老医者の順庵の思いを継ぐことを決意することで物語は立ち上がっていきます。
船頭など港町の活気や、そろばんと数字による説得力が特徴的だと感じました。
役人との知恵比べの心理戦は痛快で、江戸の職人たちの粋な人情を感じ取れるのも大きな見どころです。
幼馴染の伊織とのコンビや、庄屋の左門、父の清兵衛、百姓の留吉や湊屋の奉公人たちが、それぞれの立場を越えて町と暮らしを守るために汗を流すところは本作の魅力だと思います。
小さな挑戦がのちに後世へ語り継がれる偉…続きを読む